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フィクションの中の真実 [日記・雑記]

美味しんぼ論争、原発集中の福井県知事もチクリ 「間違いのない記述を」
福井新聞ONLINE 5月19日(月)17時44分配信
 原発事故による放射性物質と健康被害を関連付けるような描写が議論を呼んだ漫画「美味しんぼ」について、西川福井県知事は19日の記者会見で、読んでいないとした上で「ノンフィクション的な部分があるなら科学的な裏付けをとり、間違いのない記述をすることが大事」と述べた。

引用元:美味しんぼ論争、原発集中の福井県知事もチクリ 「間違いのない記述を」 (福井新聞ONLINE) - Yahoo!ニュース



「美味しんぼ」はノンフィクションではない。ドキュメンタリー風に実在の人物も出てくるけれど、あくまでフィクションの漫画。
その立ち位置がどうもあいまいなまま議論が進んでいる。

じゃあフィクションなら何でも描いてよいのかというと、これまた議論が及ぶところであろう。しかし少なくともこの原作者は「福島の真実」を伝えたいとの思いで発表したそうだ。
それならばなぜフィクションで真実を伝えるというあいまいな手法を取ったのか。

世間でクローズアップされた、福島原発を取材した主人公が鼻血を出すシーン、思いっきりフィクションである。実在していない人物の描写にすぎないのだから。それとも原作者自ら鼻血を出したのであろうか。それならば多少説得力がある。
取材の過程でそういう人がいたという話を伝聞しただけで、主人公に鼻血の演出を加えたというのならそれは真実でもなんでもない。ただの「お話」である。

福島といってもおもに浜通り側の人々にとって原発事故は、いろいろな問題を抱えている。その中には当然健康不安も含まれる。放射能の被ばくというはっきり言って厳密には何が何だかわからないものを安全だ安心だといわれて簡単に信用できないことも。
だいたい、原発事故の本質的な責任を取ろうとしていない(事故原因は想定外で逃げた)国や東電を信用しろというのも無理な話ではあるのだが。

この問題を風化させてはならない。国や東電はこの問題に真摯に取り組まなければならない。しかし、これを伝える手法をただの「お話」にして世間を騒がすのでは真実を伝えたことにはならないのではないか。
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